僕はほんの最近まで鉄壁の守りで生きてきた。
常に最強の技を探してそれを見つけたらずっとそれを使い続ける。
それがほころび始めたらまた新たな技を探す。
呼吸、丹田、眺める、感謝。
全くダメージの喰らわない最強の技を探し続けた。
そうしてほぼほぼ世の中に存在しうる技のすべてを試したあと、そんなものはないことを悟った。
普通はそんな技を発動しながらなんてみんな生きていない。
みんなそのまんまの自分で物事にあたり、その都度姿勢を調整しながら疲れたら休んだりして1日を通す。
それで帰ったら疲れて横になったらそれ故に心地よさを感じるのだ。
それが普通。
しかし僕は日中に全くダメージを喰らわない方法を探した。
まるでこの世の天国のような状態を目指した。
しかしそれは叶わなかった。
ある程度うまく行っても誰かがズカズカとそのテリトリーに入ってきたりする。
それでイラッとしていた。
時には怒った。
これではまるで使い物にならないと限界を感じていた。
そうして最後にはそうした技を手放して、全くのそのままの自分で日中に挑んだ。
そうしたらとてもうまく行った。
僕は高校のときに挫折をしたことからずっと守りに入っていた。
それでこの年まで日中の食らうのを避けてずっと最強の技を探し続けた。
そして技を磨き続けた。
しかし最後には静かに技を置いた。
そして自分の身一つで日中に挑んだ。
そしたらうまく行った。
もちろん疲れたりもする。
限界を迎えることもある。
そうしたときは素直に今まで習った技を使って一休みする。
しかし基本技は使わない。
いつもいつも技ばかりを使っているとまるでだめな人間になってしまう。
もっと揉まれて生きたほうが人間は強くなる。
そのほうが魅力的だし、何より生の人間関係がある。
こうして苦節30年。
ようやく僕は再び手を離して泳ぎ始めた。


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